好きなところ
明神さんに、ひめのんはオレのどこが好き?って聞かれたので、少し悩んだ後私はこう答えた。
「私は明神さんの駄目なところが好き。」
ご飯が作れなかったり、部屋が汚かったり、大人っぽいのに時々子供だったりするところ。
そう言うと明神さんはげんなりした顔をする。
「ひめのん酷くない?普通なんかもっとあるだろ。確かにあんまり褒めるとこないけどさ・・・。」
だから私は慌ててこう言い足す。
「もちろん、おっきな手とか、背中とか、私に何かあったら一番にぴゅうって駆けつけてくれるところとか、かっこいいとことか、全部大好き!でもね。」
「明神さんがご飯作れないから、私がご飯作ってあげられるでしょ?」
「部屋が汚いから、片付けなさい!とか言って管理人室に入れるでしょ?」
「子供っぽいからエージ君とかガクリンと喧嘩してたら、こら!ってまるで年上みたいにできるでしょ?」
途中から、明神さんが下を向いてしまう。
あれ、私また何か嫌な事言っちゃったかな・・・。
「明神さん?」
俯いた明神さんの顔を下から覗き込む。
そうしたら明神さんの顔が耳まで真っ赤になっているのがわかった。
あ。
明神さんが照れているとわかったら私もなんだか恥ずかしくなる。
つられてこっちも俯くと、明神さんがいきなり抱きついてきた。
「うわわ!明神さん?」
大好きな大きい手が、肩と頭に回されている。
「・・・ひめのんは、ずっこいな〜。」
「ええ!?何で!?」
「ずっこい。完敗。」
それから、明神さんはずるい、ずるいと繰り返して、暫く離してはくれませんでした。
あとがき
あ、甘い・・・。
もう二人でべたべたしてくれたらいいと思います。
この話では二人はもう付き合っているという前提ですね。設定は毎回変わっています。
2006.09.29
2007.05.30修正