「クラウン」

本当に君はよく笑う様になった。

笑顔が、キラキラ輝く様になった。

全部あの島から雪乃さんと帰って来てから。

散々泣いて、その後笑って笑って、また泣いて。

泣きながら笑って抱きしめ合ってた。

びっくりする位その時の笑顔が綺麗だった事を今でもホント、写真に撮ったみたいに思い出せる。

君は本当に心から笑える様になったんだ。

さあ、これからが大忙しだ。

オレはこの笑顔を守らないといけない。

ちょっとでも曇らせる訳にはいかない。

だって、あの笑顔を見たいのはオレ自身なんだから。

オレはあの笑顔を見続ける為なら何だってするだろう。

君が泣いたらオレは走って君の元へ行く。

そんで、馬鹿やったり冗談言ったりして励ますんだ。

君が泣きながら笑い出したら抱きしめよう。

頬擦りして、頭撫でて。

君が嫌がったってやめたりしないんだ。

君が困って立ち止まったらオレは走って君の元へ行く。

そんで、君が前に進める様におぶったり抱えたりして進むんだ。

君は「もういいよ、降ろしても大丈夫」って言っても聞きゃしない。

君が呆れて笑うまで、オレは君を抱えたままスキップして進むんだ。

靴を鳴らしてみようか。

口笛を吹いてみようか。

走って走って、町の高台まで行こう。

綺麗な空を見せるんだ。

君はその空をおっきな目に写して、またキラキラ笑うだろう。

その笑顔を見て、オレはまた一つ幸せになれるんだ。


あとがき
拍手お礼文でした。
七巻発売後にカーっとなった頭で勢いで書きました。
短い上に詩の様な内容ですが、意外と気に入っています…。

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